地震の予知を動物はできる!?まだメカニズムは解明されていない?

僕は京都に住んでいますが、6月18日に大阪北部で発生した地震には驚きました。

大阪震度6弱:緊急地震速報、間に合わず 震源近く - 毎日新聞
 18日朝に大阪市北区などで震度6弱を観測した地震で、気象庁は初期微動の地震波を検知してから3.2秒後、最大震度5弱以上の揺れへの警戒を促す緊急地震速報を出した。しかし、大阪府北部や京都府南部など震源に近い一部地域では、大きな揺れの到達時刻に間に合わなかった。

京都に住んでいる僕の携帯の緊急地震速報は、揺れ始めとほぼ同じタイミングで鳴っていました。震源地が近い直下型地震だとやっぱり間に合わないようです。

となると、震源地が近い直下型地震でも揺れが来る前に察知するには、地震予知しかないんですかね?という話もたびたび聞きますが、さすがに地震発生の1時間前に「1時間後に地震が発生するぞ!」とわかるほど簡単じゃないので、どうなんでしょう?

僕が子どもの頃(阪神淡路大震災後くらい)によく話題になったのは、動物は地震を予知するとか、予兆行動という地震前に変わった行動をするという話があったなぁ〜と思い出したので、ちょっと調べてみました。

紀要論文が存在する

ちゃんと調べようと思ったので、別に、J-Stageでも、Google Scholarでも良いのですが、Ciniiというサイトで検索しました。学生ぶりくらいのアクセスです。

とりあえずCiNii Articles 検索 –  地震 予知 動物とキーワードを入力して、検索すると、それっぽいタイトルの研究が20件表示されましたが、そのうちオープンアクセス可能なものは以下の3つだけのようです。

  • 太田光明, 江口祐輔, 大木茂 (2007) 動物の地震予知能力に関する研究. 麻布大学雑誌 13/14:183–192
  • 太田光明, 江口祐輔, 大木茂 (2008) 動物の地震予知に関する研究. 麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University 15:110–123
  • 太田光明, 江口祐輔, 大木茂, 大谷伸代 (2009) 動物の地震予知能力に関する研究 : イヌによる地震予知の可能性. 麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University 17:167–172

どちらも同じ人の論文です。そして、タイトルが限りなく似ています。これら3つの論文で1つの論文になるのではないかと思うほど似ていますが内容は違うのでOKなのでしょう。

そして、こういう大学が発行している論文を紀要論文と言います。学会が発行している論文誌の論文と比べると、紀要論文の評価は低いと言われています。分野によっては、紀要論文の業績は評価されないそうです。

地震予知研究の内容

全部読むのは面倒だったので、一番最初の2007年の論文だけ読みました。

大まかな内容は・・・

  1. 兵庫県南部地震では約20%の犬に前兆行動が見られた!
  2. つまり、全ての犬が予知できるのではなく、一部の犬だけができる!
  3. 地震感知できる犬とできない犬はストレス反応のホルモンであるCRHによるものだ!
  4. CRH遺伝子多型の犬がいるはず!
  5. 調査の結果、CRH遺伝子多型の犬は見つかりませんでした・・・。

思い通りの結果は得られませんでしたというのが結果です。

となると可能性としては・・・。

  • もっと日本中を探せばCRH遺伝子多型の犬はいるかもしれない?
  • CRH多型遺伝子以外の要素が動物の地震前兆行動を導いているのかもしれない?

そもそも、全体の20%くらいの犬が前兆行動を起こすと言われているそうなので、その20%が研究対象に入っていないと、このように調査してもなにも明らかにならないというこの研究の難しさがあります。

それに犬は生き物だし、かと言って、人間のようにそこらへんにいて、すぐに調査できる訳でもないので、研究者の人はかなり苦労しているんだろうなと思います。

ただ、今回の調査ではまだあきらかではないが、今後の展開で明らかとなる可能性があることとして、2つ興味があったので紹介します。

  1. 日本犬はもともと地震が多い日本の犬なので、地震の予兆できる特徴を持ち合わせてる可能性があること。
    海外の事例を知らないのでなんとも言えませんが、日本の犬だけがそんな能力を持っているとすれば、日本犬を持てば危機管理に強くなる!なんて言って売り出せますが、妻に聞いたところ「タイでも動物が災害を予知する話有名だよ!タイは地震は起きないけど、津波とかでその話は有名」と言っていたので、津波災害のリスクがあるタイでは津波予知に強く、地震災害が多い日本では地震予知に強いということでしょうか?
  2. 地震を体験することで、地震に敏感になって、次に地震が起きるときに、前兆行動をとるようになること。
    これは、今流行りのAIとか機械学習と全く同じ話ですね。「あれ?なんか変なの感じるな?なんだろう?」と思った犬が、その直後に被災したとします。すると、次に「あれ?なんか変なの感じるな?なんだろう?」とこの犬が感じると、「いや、まてよ!?これ前に地震に遭遇したときに感じたのと同じやないか!!地震が来る!!」と気づき、外に逃げ出そうとしたり、吠えたりと予兆行動をとるようになる、という話です。

まとめ

最近遭遇した地震から、そういえば動物による地震予知の話は、今どうなっているのだろうか?と思い、調べてみました。

動物による地震予知の研究が存在することには驚きましたが、それでも国内においてはほぼ皆無に等しく、体系化されるほどの研究実績も蓄積されておらず、まさにネタのような研究と思われているのかもしれません(海外の研究は調べてないので知りません)。

タイトルに、まだメカニズムは解明されていないらしいと書きましたが、今後も解明されることはないんだろうなと思いました。

おしまい。