神戸市にある人と防災未来センターを見学してきました。
大人600円、大学生450円、それ以下はなんと!無料です。
アクセスについてはあまり良くないので、上手く説明できません。なので、「アクセス TOP | 人と防災未来センター」を確認してください。
ところで、センターでは、そこらへんの映画より迫力のある映像や衝撃的なドキュメンタリー風ビデオを見たのですが、見ただけでその後のフォローは一切なく、やりっぱなしで、ほったらからし・・・。
親と一緒に来た子どもならば親が説明したり、振り返りをすればいいのでしょうが、修学旅行で来ている小・中学生は自己解決するしかないのかい!!
と、防災教育って変な世界なんだなと思いました。なので、あまりオススメできない施設でした。
震災の凄まじさを音と映像で感じすぎるシアター
人と防災未来センターの館内は撮影可能な場所と禁止の場所があります。最初に入る西館の4階は全面撮影禁止です。
入館して最初に訪れるのが、阪神淡路大震災の揺れや破壊力を感じられるシアターです。
ここは、真っ暗な部屋の壁に映し出された映像や光、音を作って、阪神淡路大震災の破壊力を感じられる部屋で、約7分間の上映されます。
家や電車や高速道路、ビルがまるでおもちゃのようにぶっ壊れていく様子が次々と映し出されます。
あまりに衝撃的なので、現実感を出さないための配慮なのだと思いますが、映像に出てくる家やビル、電車は本物っぽくなく、プラモデル的です。
とは言っても、上映後、それを見ていた外国人の方はボロボロと泣いていまして、「防災をしよう!」とかより、恐怖心を与えているとしか思えない映像でした(恐怖心を煽ることで防災意識が芽生えるという研究もたくさんあるので、間違ったアプローチではないようですが・・・)。
原爆資料館のような震災後の街並み
上映を終えると次の部屋へ移動します。その道中に、震災後の街並みを再現した実物大の街並みがあります。
1階が潰れて、2階が1階のようになってるアパート、そのアパートのベランダに洗濯物が干されていたりして、かなり現実感を感じられる街並みです。違う場所では火の手が上がり、真っ赤になっていたります。
「その瓦礫の下に人がいてもおかしくない」
そう感じさせるほどのリアリティです。
ここを通過した時、「あれ?これって、長崎の原爆資料館にあった原爆投下後の長崎の街並みとして、崩れ去った浦上天主堂を再現したセットがあったけど、それと似てるな」と思いました。
ただ、衝撃度としては、人と防災未来センターの阪神淡路大震災の後の再現街並みの方が大きかったです。
「ああ、ここに人が住んでいた」と感じられるほどのリアリティでした。
家族を失った女性のドキュメンタリー風のビデオ上映
震災直後の神戸を再現した街並みは15秒ほどで通過しました。なぜなら、次の上映が待っていたからです。
上映部屋につくと、ドキュメンタリー風のビデオ上映が始まります。
内容は震災直後から復興までの流れを説明したもので、主人公の女性(たぶん中学生?)くらいの子が、震災で家族を失ったりしたけど、街の復興とともにたくましく生きていこうとする話です。
そして、この女の子が家族を失うシーンは、映像では出てこないのですが、想像したくない内容でして、最終的にはハッピーエンドのような雰囲気で終わるからいいのかもしれませんが、かなり重たい雰囲気になります。
震災の記録、防災体験フロア
先ほどの2つの映像を見てぐったり疲れたところで、震災の記録フロアへ到着します。
ここで、初めて写真が撮影できます(一部撮影できない場所があります)。
でも、正直言ってあまり覚えていません。
震災の記録フロアの次に、防災・減災体験フロアというのもあるのですが、子供っぽい雰囲気の場所だったのでスルーしました。
役所広司ナレーションの3D映像を見る
水と減災について学ぶフロアというのがあったのですが、そこもスルーして、最後のこころのシアターへ行きました。
ここの入口で3Dメガネを借ります。映像は「大津波 -3.11 未来への記憶-」、役所広司さんがナレーターをしています。
阪神淡路大震災が発生したとき僕は小学5年生ほどです。そのため、東日本大震災の方が記憶にあります。
この映像の中にも津波に襲われる人を撮影した写真や津波の様子がありますが、前述した2つの映像より平常心で見ることができました。
「戦場のピアニスト」という映画がありますが、それを見ているような気分です。「戦場のピアニスト」は淡々と出来事が起き、時間が経過し、なるようにしかならない、そんな映画です。
「大津波 -3.11 未来への記憶-」もそんな映像でした。
感想としては、恐怖心を植え付けすぎではないか?
そして、人と防災未来センターの訪問は終了です。
感想としては・・・。
今、阪神大震災クラスの地震が発生しても、一番最初のシアターで見たような建物の崩壊はありえないわけです(既存不適格とか耐震偽装とかは例外ですが)。
でも、そんな説明は受けなかったので、あの映像を見た人たちのうちいくつかの人たちは信じて、不必要に不安に怯えるかもしれません。
もちろん、僕がスルーした防災・減災体験フロアにて、それらしい実験を体験できるエリアがあったので、そこで説明しているのかもしれません。でも、限られた時間では無理だよな・・・。
恐怖を煽ったわりに、その後のフォローは何もなく、にもかかわらず中学生らしき団体が多数訪問していることには疑問を感じました。
人生100年のうち大きな災害に出会うことはそんなにないのに、そこまですることは正しいのか?平時を犠牲にしてまで防災することは正しいのか?(とは言っても、東南海、東京直下地震は間違いなく起きるとされていますので、それを知っておきながら備えをしないのも変だなぁとあとで思いました。)
でも、防災することが正しいのであれば、恐怖心を植え付けるのではなく、防災のベネフィットを伝えればいいのでは?と思いました。
無論、防災に関する活動を何もやっていない僕は何かを言える立場にないのですが・・・。
おしまい。