僕のホテル宿泊といえば、One Harmonyの会員なのでホテルオークラ、ホテル日航、ホテルJALシティなどをよく使います。そんなOne Harmonyですが、よくアップグレードされる印象があります。と言うことで、2016年と2017年の僕のOne Harmony宿泊実績を元に、アップグレードされる原因が何なのかを重回帰分析で分析してみました。
でも、何もわかりませんでした。
※ 重回帰分析しかできる分析手法がなかったので、重回帰分析を使いましたが、本当は違う手法じゃないとダメだと思います。
アップグレードされる基準はなに?
客室アップグレードを受けることは多々あります。でも、なぜアップグレードを受けたのかはよくわかりません。
客室アップグレードを受けるために、チェックインの際に服装に気をつける人もいると聞いたこともあります。
ネットで調べて見ると、以下のような話がありました。
- 上級会員が優先的にアップグレードされる?
- アップグレードには連泊が重要?
- 1人よりも夫婦の方がアップグレードされる?
- チェックインが遅い方がアップグレードされる?
上級会員が優先的にアップグレードされる?
初めてそのホテルを利用する人より、何度もそのホテルを利用する多頻度利用客や上級会員が優先的にアップグレードされるのは当然のことだと思います。
多頻度利用客に優先的なサービスを提供し、満足してもらえれば、多頻度利用客を離さずに抱えておけます。そして、安定して収益を確保できます。
アップグレードには連泊が必要?
1泊する宿泊客より2泊する宿泊客の方がより多頻度客という風にも解釈できるので、優先的にアップグレードするというのはあるのかもしれません。
でも、連泊する際に、毎日部屋が変わるのは宿泊客にとっても不便です。だからと言って、連泊の全てをアップグレードするには上位カテゴリーの部屋に空きがないと難しい気がするので、連泊はアップグレードされにくそうに感じます。
1人よりも夫婦の方がアップグレードされる?
言われて見ると、僕も夫婦で宿泊した時に客室アップグレードを2度ほど受けました。
でも、1人で宿泊した時にも客室アップグレードを受けたことがあるので、あまり関係なさそうな気もします。
チェックインが遅い方がアップグレードされる?
ホテルは、客室の稼働率を上げようとすることで、客室アップグレードが発生すると言われています。つまり、こんな感じです。
- 客室の稼働率が低い。
- スタンダードルームはすでに満室で、当日予約ができない。
- スタンダードルームの客をエグゼクティブルームへ当日アップグレードする。
- より安いスタンダードルームが空室になる。
- より安いスタンダードルームを当日予約できる。
- 当日客がスタンダードルームに宿泊する。
- 客室の稼働率が高くなる。
当日の稼働率が不明な段階で早めにチェックインしてしまうと、アップグレードされない!
でも、遅めにチェックインすれば、宿泊当日の客室稼働率が低かった場合、稼働率アップの一環でアップグレードされているかもしれない!
という話です。
重回帰分析に使用する変数、ダミー変数など
というわけで、説明してきた4つの要因を説明変数として、アップグレードを説明しようと思います。
- 会員種別(上級会員が優先的にアップグレードされる?)
- 宿泊数(アップグレードには連泊が重要?)
- 宿泊人数(1人よりも夫婦の方がアップグレードされる?)
- チェックイン時間(チェックインが遅い方がアップグレードされる?)
僕は重回帰分析なんて卒業論文でやった程度の人なので、変な箇所が多々あるかもしれません。そもそも重回帰分析が適切な方法なのかもわかりません。決定木分析とかランダムフォレストとかの方がいい気もしますが・・・。
エクセルでわずかな作業でできるので、重回帰分析を使います。サンプル数も僕の宿泊実績だけなので、お遊び程度のものだと思ってください。
変数を何にするのかとか、ダミー変数を決める必要があるのですが、以下のような感じにしました。
アップグレード要因に関する変数のまとめ
- 被説明変数
- アップグレード
- アップグレードされた場合:1
- アップグレードされなかった場合:0
- アップグレード
- 説明変数
- 宿泊日数
- 宿泊数をそのまま入力
- 宿泊人数
- 宿泊人数をそのまま入力
- 会員種別
- ロイヤルメンバーのとき宿泊:1
- メンバーのときの宿泊:0
- チェックインの時間帯
- 12時から15時:1
- 15時から18時:2
- 18時から21時:3
- 21時から24時:4
- 24時から27時:5
- 宿泊日数
- 被説明変数
ダミー変数ってこんなのでしたっけ?
それに被説明変数がダミー変数ってOKでしたかね?変に感じるけど、まぁいいか。
僕のOne Harmony宿泊歴とアップグレード
先ほどのダミー変数を使って、僕の今までのOne Harmony宿泊実績を表すと次の表になります。
アップグレードクーポンを使用した宿泊は分析から除去
グレーで塗られている宿泊ですが、この宿泊については今回の分析から外します。
なぜかというと、この宿泊ではOne Harmonyロイヤル会員が使えるワンカテゴリアップグレードクーポンを使用したためです。
ワンランクアップグレードクーポンは、上位カテゴリの部屋に空きがあれば必ず客室アップグレードされるというクーポンです。
ワンランクアップグレードクーポン使用の有無まで分析に考慮すると・・・。
- ワンランクアップグレードクーポンの影響が強すぎる。
- ホテル側の空室の有無という宿泊客側にはコントロール不能な要素が影響してくる。
よって、ワンランクアップグレードを利用した3つの滞在は、分析から外すこととします。
宿泊実績の概要
2016年は6滞在(12宿泊)という実績だったのですが、アップグレード状況はというと・・・。
- アップグレードなし:5滞在(11泊)
- アップグレードあり:1滞在(1泊)
2017年は8滞在(10泊)という実績だったのですが、うち3滞在でワンランクアップグレードクーポンを利用(もしくは利用を試みたけれどアップグレードできなかった)。
その3滞在を除いた2017年のアップグレード状況はというと・・・。
- アップグレードなし:3滞在(4泊)
- アップグレードあり:2滞在(2泊)
まあ、これだけではよくわからないので、重回帰分析をやってみましょう!
宿泊数、宿泊人数、会員種別、チェックイン時間を元にアップグレードについて重回帰分析
エクセルを使いました。下の画像がその結果です。
アップグレードの有無を説明する式
この結果を重回帰式で表すと、以下のようになります。
アップグレード=-0.552-0.029×(宿泊数)+0.359×(宿泊人数)-0.02×(会員種別)+0.189×チェックイン時間
この式だけを見ると、宿泊人数が0.359と大きな傾きなので宿泊人数が重要ということ?
決定係数
決定係数とは、どれだけ説明変数で被説明変数を説明できているかを表すのですが、今回の決定係数は・・・。
- 決定係数:0.411
41%説明できているという意味だそうです。
う〜ん、この数字が高いのか、低いのかもさっぱりわかりません。
先行研究と比較する必要があるのですが、客室アップグレードを重回帰分析で明らかにした研究なんてなさそうです。
あったとしても、探し出すのがめんどくさいし・・・。
分散分析表の有意F
分散分析表の有意Fですが・・・、説明できないので説明しませんが、0.05未満が良いそうです。で、結果は・・・。
- 分散分析表の有意F:0.456
0.05を大きく上回ってます。
この結果から、この重回帰式は有意でないということだそうです。
えっ!?それって、この重回帰式が信頼できないということ?
まぁ、信頼性がなくても、続けましょう。
各説明変数それぞれのP値
各説明変数それぞれのP値が何を意味するかというと、係数の信頼性です。
重回帰式を見ると・・・。
アップグレード=-0.552-0.029×(宿泊数)+0.358×(宿泊人数)-0.02×(会員種別)+0.189×チェックイン時間
宿泊人数の係数が0.358と高いので、一番影響しているように見えますが、0.358がどこまで信頼できるのか?を調べるのにP値を使っているそうです。帰無仮説が正しいと仮定した時に棄却仮説が発生する確率がなんとかかんとかとか習ったなぁ。全部忘れたけど・・・。
で、全ての説明変数のP値を見ると、一番小さいP値ですら0.168なので、1%水準だろうが、5%水準だろうが、10%水準だろうが・・・。
有意な変数はないです。
この結果の解釈・・・
つまり、今回の結果からは、客室アップグレードには〇〇が大事!とは言えません・・・。
この結果から言えそうなことは以下の3つです。
- サンプル数が少なすぎて、それらしい結果が出ていない。
- 今回の分析で使った説明変数が、アップグレードに重要な変数ではない。
- 重回帰分析で分析するものではない。
たったの11ケースですので、1の可能性は大きいです。
2もありえます。例えば、空室がなかったからアップグレードされなかったなどのホテル側の事情とか。今回はそういうのは考慮してないので・・・。
重回帰分析ではなく、決定木分析とかが適切な気がしますので、3の課題もあるのかもしれません。
まとめ
今回、何もわかりませんでした。
そもそも重回帰分析が適した分析手法だったのかもわかりませんが、僕のパソコンでできる分析はそれくらいしかないので、仕方ないということで勘弁ください。
宿泊実績を増やせば、結果が出てくるものなのかどうかもわかりませんが、1年後にも2018年の宿泊実績を追加したデータで同じことをしたいと思います(この記事を投稿してから何年も経ちましたが、アップデートしてなくてすみません)。
おしまい。