仕事の相談ができない新人が行った3つの消極的な対策

初めて訪問する方へ。うつ病時代のまとめ「社内ニートでうつ病になり休職のまま退職したサラリーマン時代のブログ」にて初めの記事から読むことができます。

皆さんは、仕事や業務でわからないことに遭遇した場合や問題が発生した場合に、先輩や上司に相談できますか?

僕はできません。都合の悪い情報はごまかして隠し表沙汰にせずに、真っ黒焦げに焦げ付く頃になってようやく発覚するような人です。

今回は、そんな僕の新人社員時代の相談をテーマにした話です。

新人研修が終わり7月になると名古屋の事業部に仮配属になりました。さらに9月になると正式に配属となりました(仮配属と配属の違いはよくわかっていません)。最初に所属したプロジェクトのメンバーはみんないい人ばかりなのに、なぜか僕は輪には入れず、上手く接することもできませんでした。

そして、僕は相談することができませんでした。新人社員なのでわからないことだらけなのですが、そのことについての相談をすることが苦手でした。新人に限らずこの世の全ての人にとって「相談する」ことほど難しい行動はないと思います。

でも、どんな人でもわからない点や難しい点に遭遇し、1人で解決できないのなら相談して解決を試みるでしょう。一方、僕は相談が苦手だったので相談せずに3つの消極的な対応で問題解決をしていました。

プロジェクトメンバーはみんないい人

7月に仮配属後に所属したプロジェクトは自動車部品メーカーをお客さんとしているグループにのプロジェクトで、僕はシステム開発の終盤に差しかかっていたプロジェクトに配属しました。そして9月の配属後もそのプロジェクトで働きました。

このグループやプロジェクトの人たちを一言で表すなら「みんないい人」でした。仕事中も笑顔が絶えなくて、週末はみんなで旅行するような仲の良さ。配属する直後から仲の良さを感じました。

みんな僕に気軽に楽しく話しかけてくれますので「ああ、いいグループに入った。いいプロジェクトだなぁ」と思ったものです。ただ、あまりにみんな仲が良いので、新しく入った僕が部外者のように感じてしまったことも事実でした。

僕は大学時代に組織論を研究していたので、「メンバー同士が仲よすぎて、部外者が入りにくい現象について組織論の本で読んだなぁ。こういうことかぁ。時間が経てば仲良くなれるよね」とのんきに思っていました。

グループやプロジェクトのメンバーは少し前までは一切顔も名前も知らない人たちです。僕が突然仲良くなるはずがありません。

わからないことに多々遭遇

配属後は刈谷の客先に常駐してシステムテストを行う工程(1ヶ月間)へと移行しました。この仕事はかなり簡単な仕事でした。テスト仕様書はすでに作成されているので、その仕様書通りにシステムを動かして、どう動いたかを画面キャプチャーして証拠とする。仕様書通りに動けば「合格」、動かなければ「不合格」で具体的にどういう動作をしたのかをテスト仕様書に書くだけという作業でした。

不合格になった箇所は先輩や派遣のプログラマの人が修正するので「合格」だろうと「不合格」だろうと僕にはあまり関係なく淡々とテストケースをこなすだけです。

しかし、いくら簡単だと言っても、たびたびわからないことに遭遇しました。例えば、仕様書通りにやったが仕様書に書いていること合格の定義が曖昧だったり、「合格」なのか「不合格」なのかよくわからない動作をしたりすることは多々ありました。

こういう時は、プロジェクトメンバーの先輩に聞くのが鉄則でしょう。僕はこのプロジェクトの途中から入ってきたので詳しいことまでは知らないのです。だからこそ、プロジェクトにずっと携わってきた先輩にわからないことを聞くのは普通でです。ましてや、新人である僕なら自然なことです。

わからないことに遭遇しても相談できない

ところが、僕は相談が全然できませんでした。「新人研修のグループワークで言葉を発せなくなった話」に記載した言葉が発せない事象ですが、配属後も他人に話しかけることができなかったのです。完全なるコミュ障状態になっていました。

相談できないのでわからない箇所に出会うとそのテストケースを飛ばし次のテストケースの作業を行います。つまり、「わからない」部分を相談しないわけです。

でも、わからない箇所は1日に数回は遭遇しました。そうした後回しを繰り返した結果、僕は「わからない」を溜め込むようになりました。たったの最初の1週間で20個ほどの「わからない」を抱えこむことになりました。

テストケースは山ほどあるので、はじめのうちは隠し通せます。でも、テスト終盤に差し掛かると「あれ?なんでこのテストケースの結果空白なん?」という感じで隠していたものが見つかってしまいます。

システムの仕様のことや「合格」か「不合格」かを先輩に相談しなければなりませんがいきなり20個も聞くのは気が引ける。「早くプロジェクトメンバーに相談しなければ」とわかってはいるものの体も心も動かない。

相談できない僕がやった3つのこと

対策1. 嘘をつく

相談できない原因として以下の3つがありました。

  1. 人と話すのが苦手になっている
    →新人研修のグループワークでメンバーに話しかけられない出来事がありました。その時のことを思い出すと、どれくらいの声を出せばいいのか?そもそもどうやれば声が出るのかもわからなくなり話しかけられなかった。
  2. プロジェクトメンバーはすごく仲がいいが僕はまだ馴染めていない
    →プロジェクトメンバーは一緒に旅行や週末にバドミントンをやっているようで、すでに出来上がった輪に入るということが僕には難しかった。
  3. 既にわからないことが20個くらいある
    →テストケースをこなすだけなのにわからないところが20個もあり、いきなり20個も聞くのを躊躇してしまう。

さて、この3つの原因のうち今すぐ解決できるのはどれでしょう?

僕は3の「既にわからないことが20個くらいある」に着目しました。「よし!これをなんとかしよう!今すぐにでも減らせるはず!」。

僕は、先輩に確認すべき「合格」か「不合格」かよくわからないテストケースの10個くらいを「合格」とし、それっぽい画面をキャプチャして納品しました。キャプチャした画像は画像なので動作確認まではできない。なので「合格」としてもその時はバレません(後々バレる可能性は高いです)。

つまり、嘘をついたわけです。

そうすることで、相談しなければならない「わからない」を10個削除し残り10個にすることに成功したわけです。

しかし!

「わからない」を半分に減らしたものの、毎日3〜4ケースほどのペースで僕には「合格」か「不合格」わからないテストケースに遭遇しました。相変わらず相談することができない僕は「わからない」を再び溜め込んでいきます。そのため、嘘をつくという禁じ手を何度か繰り返しました。

対策2. 相談したが・・・悩みが増えた

これは仕事で僕は給料をもらっているのですから、相談できないなど言っている場合ではありません。

システムテストの業務が始まって2週間ほどたったある日、自分を奮い立たせて隣の席にいるOJT担当だった先輩にわからない箇所について相談を持ちかけました。

すると、先輩だけでは判断できないということで、先輩はさらに別の先輩やそのテストケースの作成を担当したメンバーを呼んで、僕の代わりに僕の不明点を相談してくれました。ただ、これがすごくストレスの感じるものでした。起きた出来事はたったの以下の通りです。

  1. 僕がOJT担当の先輩に相談する。
  2. 先輩だけでは判断できないので、より知っているメンバーを集めて相談する。
  3. メンバーから、これはあーだよ、こーだよと話を聞き、問題解決。

僕がわからないというテストケースや「合格」「不合格」の判断をきっかけとして、先輩やメンバーを巻き込んで小さな議論をして、テストケースの曖昧さを修正したりテスト「合格」か「不合格」かを決めたりするのです。

何人もの先輩がこの一連の流れに関わってくることがストレスでした。

友達であればどうってことないと思います。でも、相手は社会人、会社の人、先輩です。みんないい人たちで悪い人は誰もいませんし、みんな僕に優しく接してくれるますが、やっぱり会社の人というハードルにより馴染めていなかった僕は緊張して疲弊しました。

「すでにわからないことが10〜20個あるので、あと10〜20回もこんなことをしなければならないのか?」

それに、今回は先輩が僕の「わからない」に関連する部分の人を呼んで「わからない」を解決しましたが、毎回先輩に頼るわけにもいきません。僕自身で関係しそうな人に声をかけて確認しなければならないでしょう。隣の先輩に声をかけるのすら大変なエネルギーを使ったのに、そんなこと僕にできるでしょうか?

対策3. 聞かれるのを待つ

僕は新人でした。そして、プロジェクトのみんなは本当に優しくて親切でした。そのため、僕から相談を持ちかけなくても、先輩達の方から「わからない部分ある?」と聞いてくれるようになりました。

今思うと、僕が「わからない」部分をなかなか他の人に聞けない性格であることをプロジェクトのメンバーは見抜いていたのかもしれません。

9月中旬くらいまでは「わからない」に悩まされていましたが、それ以降はプロジェクトメンバーのおかげで、僕は「わからない」に出会っても先輩方の声かけのおかげで解決することができました。

要するに、周りのプロジェクトメンバーがいたからこそ、僕は能動的に積極的に動かずとも受動的に消極的に行動するだけでも仕事をこなせていたのです。

受動的に消極的に活動しても、やっぱりプロジェクトの先輩と話すのは緊張するし疲れました。「わからない」に遭遇することが嫌だったので、家に帰っては「明日は初めから全部の内容がクリアにわかりますように」と祈っていたほどでした。

まとめ

僕が行なった3つの対策のうち、1つ目は絶対にやってはダメです。できるだけ2つ目をすることをオススメしますが、どうしても相談できない新人は3つ目を待っていても良いと思います。

僕の場合、暖かいプロジェクトメンバーのおかげもあって、僕は新人研修のグループワークと比べると声を発する人になっていたと思います。でも、話しかけられたら話すくらいで、自分から話をするのはほとんどなかったので、「この新人は無口だなぁ」と思われたことでしょう。

僕が適当に「合格」とした数十ケースは、その後問題になったのかならなかったのかはわかりません。そして、僕は9月が終わる間際になってもプロジェクトの人たちと仲良くなることはありませんでした。会社の人だし、先輩だし、どうしても壁があるような接し方しかできませんでした。

「みんな優しいし、人間関係が悪い訳じゃないのに、どうして僕はこの人たちとうまく接することができないのだろうか?」と考えると今後のことが不安になりました。

おしまい。